本文へ移動
株式会社設立の教科書 条件・費用・資本金から機関設計まで
株式会社設立 税理士 顧問 タイミング

税理士費用の内訳|顧問料・決算報酬・記帳代行を分けて見積もる

税理士費用は一括りにできません。顧問料、決算報酬、記帳代行を分けて見ると比べやすくなります。

公開 2026年9月7日 確認日 2026年9月16日 約11分で読めます 本文 約6,000字

この記事は、見積書を並べて比べようとしている人のためのものです

税理士に見積もりを取ると、事務所ごとに金額の出し方が違うことに気づきます。同じ条件で比べにくいのが厄介なところです。

理由は、費用がいくつかの区分に分かれていて、どこまでを顧問料に含めるかが事務所ごとに違うためです。この記事では、区分を整理して比べ方を示します。内容は2026年9月16日時点の一次情報にもとづきます。

費用は四つに分かれる

費用は四つに分かれる

税理士に支払う費用は、四つの区分に分けて考えると比べやすくなります。株式会社の会社設立の後にかかる固定費です。

一つ目が月額の顧問料です。日常の相談や試算表の作成など、継続的な業務に対する費用です。

二つ目が決算報酬です。決算書の作成と法人税の申告に対する費用で、年に一度かかります。

三つ目が記帳代行の費用です。領収書や請求書から仕訳を起こす作業を依頼する場合にかかります。

この四つ以外に、初回の契約時に着手金を求める事務所もあります。あるかどうかを最初に確認してください。

四つ目がその他の依頼です。年末調整、償却資産申告、税務調査の立会いなどが該当します。

事務所によって、どこまでを顧問料に含めるかが違います。ここが見積もりを比べにくくしている原因です。

訪問の回数も同じです。毎月訪問する前提の顧問料と、年1回だけの顧問料を並べても意味がありません。

たとえば年末調整を顧問料に含む事務所と、別料金にする事務所があります。総額だけを見ると比較を誤ります。

四つのうち、必ずかかるのは顧問料と決算報酬です。記帳代行とその他は、依頼するかどうかを自分で選べます。

株式会社の会社設立を終えた段階では、まだ取引が少ない状態です。最小限の構成から始めて、必要になったら追加するという進め方ができます。

株式会社の会社設立で設立費用を積み上げたときと同じで、内訳に分けてから比べてください。

出典このセクションの出典:小谷野税理士法人|会社設立の税理士費用はいくら?(小谷野税理士法人/2026年9月16日 確認)

月額顧問料に含まれるもの

月額顧問料に含まれるもの

月額顧問料は、継続的な業務に対する費用です。株式会社の会社設立の後、毎月かかる固定費になります。

一般に含まれるのは、日常の税務相談、試算表の作成とチェック、経理処理の助言などです。

金額は、売上規模と訪問頻度で決まるのが通例です。設立直後の小規模な会社で、月1万円台から3万円程度が目安とされています。

訪問頻度は、毎月、3か月に一度、年に一度など幅があります。頻度が高いほど顧問料も上がります。

チャットやメールでいつでも質問できる形にしている事務所もあります。回数の制限があるかどうかを確認しておいてください。

近年は、訪問なしでオンラインのやりとりだけという形も増えています。そのぶん費用を抑えられます。

料金表を公開している事務所なら、問い合わせの前におおよその水準が分かります。比較の出発点として使えます。

売上規模で段階的に上がる料金表を示している事務所が多くなっています。会社設立の初年度は最も低い段階に入ることが一般的です。

顧問料の支払いは、口座振替にしている事務所が多くなっています。法人口座を開いた後に手続することになります。

資本金の額で顧問料が変わる事務所もあります。会社の規模を測る目安として使われるためです。

株式会社の会社設立から数年が経って売上が増えると、料金表の段階が上がります。契約の時点で、どの水準でいくらになるかを聞いておくと後の見通しが立ちます。

なお、顧問料には決算報酬が含まれていないのが通常です。年間の総額を出すときは、両方を足してください。

出典このセクションの出典:小谷野税理士法人|会社設立の税理士費用はいくら?(小谷野税理士法人/2026年9月16日 確認)

決算報酬の考え方

決算報酬の考え方

決算報酬は、決算書の作成と法人税の申告に対する費用です。株式会社の会社設立から1年が経つと発生します。

目安は、月額顧問料の4か月から6か月分とされています。月2万円なら、8万円から12万円という計算です。

作業の内容は、決算整理、決算書の作成、法人税・地方税・消費税の申告書作成と提出です。

これらをまとめて計算書類と呼びます。定時株主総会で承認を受ける対象です。

株式会社の決算では、貸借対照表と損益計算書に加え、株主資本等変動計算書と個別注記表も作ります。

消費税の申告は、課税事業者になってから発生します。資本金1,000万円未満で設立した株式会社なら、原則として3期目からです。

地方税の申告も含まれます。都道府県民税と市町村民税の申告書を、それぞれの窓口に出します。

このため、初年度の決算報酬は消費税の申告がないぶん安くなる場合があります。見積もりの条件として確認してください。

ただし記帳の状態が悪いと、整理から始めることになり金額が上がります。自分で記帳する場合ほど、日々の正確さが費用に直結します。

顧問契約を結ばず、決算だけを依頼する場合は別の料金体系になります。十数万円からという事務所があります。

申告書の提出期限は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内が原則です。株式会社の定時株主総会で計算書類を承認してから提出する流れになります。

決算公告の手配を含めてくれるかどうかも聞いておいてください。株式会社にだけある年1回の義務です。

年間費用の組み立て例(月額顧問料2万円の場合)
株式会社の会社設立の後、この水準が固定費として毎年かかります。

出典このセクションの出典:小谷野税理士法人|会社設立の税理士費用はいくら?(小谷野税理士法人/2026年9月16日 確認)

記帳代行を頼むかどうか

記帳代行を頼むかどうか

記帳代行は、領収書や請求書から仕訳を起こす作業です。株式会社の会社設立の後、毎月発生する事務になります。

費用は仕訳の件数で決まる事務所が多くなっています。月100仕訳まで、200仕訳までといった区分です。

取引が少なければ、自分でやるほうが安く済みます。会計ソフトを使えば、記帳そのものは難しくありません。

クラウド型の会計ソフトなら、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込めます。入力の手間が大きく減ります

クレジットカードも法人カードにまとめておくと、個人の支出と混ざらず、取り込みもそのまま使えます。

法人口座を会社設立の直後に開いて取引を集約しておけば、この自動取り込みが効きます。

領収書の保管も必要です。電子帳簿保存法への対応を含めて、どこまで面倒を見てもらえるかを聞いておいてください。

逆に、現金取引が多い業種では手入力が増えます。その場合は記帳代行を頼む価値が出てきます。

この形なら、記帳代行の費用をかけずに誤りを早く見つけられます。決算時の修正作業も減ります。

自分で記帳し、月次のチェックだけを税理士に頼むという形もあります。費用と安心のバランスを取る方法です。

勘定科目の設定は、株式会社の会社設立の直後に決めておいてください。途中で変えると、期の途中で数字の連続性が切れます。

記帳の精度が低いと、決算のときに修正作業が発生します。その分の費用が加算される場合もあるため、最初の設計が大切です。

出典このセクションの出典:マネーフォワード|税理士に依頼するタイミング・相場・メリット(マネーフォワード/2026年9月16日 確認)

別料金になりやすいもの

別料金になりやすいもの

顧問料に含まれず、別料金になりやすい業務があります。株式会社の会社設立の後、見積もりを取るときの確認点です。

年末調整がその一つです。役員報酬を払っていれば、一人会社でも必要になります。

償却資産申告も別料金の場合があります。一定額以上の資産を持っている場合に、市区町村へ毎年1月に提出します。

税務調査の立会いは、ほぼ別料金です。日当という形で請求されることが多くなっています。

補助金や助成金の申請支援も同様です。成功報酬という形を取る事務所もあります。

融資の申込みに使う資料の作成も、別料金になることがあります。事業計画書や資金繰り表の作成です。

各種の届出書の作成も、内容によっては別料金です。会社設立の直後の届出をまとめて頼む場合、確認してください。

何が含まれ、何が別料金か。この一点を最初に聞いておけば、後から想定外の請求が来ることを避けられます。

株式会社の設立登記を司法書士に頼んだときと同じ感覚で構いません。何にいくらかかるかを最初に書面で確認する、という手順です。

見積書に内訳が書かれていない場合は、書面で出してもらってください。資本金や設立費用の見積もりと同じく、書面で残すことが大切です。

出典このセクションの出典:明治通り税理士法人|会社設立に税理士は必要?顧問料の相場(明治通り税理士法人/2026年9月16日 確認)

自分でやる場合との比較

自分でやる場合との比較

税理士に頼まず、自分で申告する選択もあります。株式会社の会社設立を自分で進めた人なら、検討する価値があります。

年間34万円前後の費用が浮く計算になります。設立直後の会社にとっては小さくない額です。

ただし、法人税の申告は個人の確定申告よりずっと複雑です。別表と呼ばれる書類が多数あります。

決算整理も必要です。減価償却、未払費用の計上、棚卸資産の評価。判断が必要な項目が出てきます。

間違えると、修正申告や更正の請求という手続になります。加算税がかかることもあります。

時間の問題もあります。調べながら進めると、決算と申告だけで数十時間かかることがあります。

加えて、判断に迷ったときに聞ける相手がいるかどうかも違います。経費になるかどうかといった日常の疑問は、意外と頻繁に出てきます。

その時間を事業に使えば、顧問料を上回る売上を作れるかもしれません。費用だけの比較では判断できない部分です。

なお、株式会社の会計処理は個人事業より項目が多くなります。役員報酬、法定福利費、法人税等。個人事業にはなかった科目が加わります。

会社設立の初年度は自分でやり、事業が軌道に乗ってから依頼する。この進め方も実務では取られています。

出典このセクションの出典:国税庁|No.5100 新設法人の届出書類(国税庁/2026年9月16日 確認)

見積もりの取り方

見積もりの取り方

見積もりは、複数の事務所から取ってください。株式会社の会社設立で司法書士を選ぶときと同じ考え方です。

伝える条件をそろえることが大切です。条件が違えば、金額を比べる意味がなくなります。

伝えるのは、業種、想定の年商、資本金の額、従業員の人数、取引の件数の見込みです。

あわせて、記帳を自分でやるか依頼するか、訪問を希望するかどうかも伝えます。

決算月も伝えます。事務所の繁忙期と重なるかどうかで、対応の余裕が変わることがあります。

会計ソフトを決めているなら、それも伝えてください。対応の可否で費用が変わることがあります。

出てきた見積書は、四つの区分に分けて並べます。顧問料、決算報酬、記帳代行、その他です。

2年目以降に消費税の申告が加わる場合も想定して、そのときの金額を聞いておくと先が読めます。

年間の総額も計算してください。月額だけを見ると、決算報酬を見落とします。

株式会社の会社設立から長く付き合う相手なので、金額だけで決める必要もありません。説明の分かりやすさや連絡の速さも、実務では価格と同じくらい効いてきます。

金額が同じでも、含まれる業務が違えば実質的な価格は変わります。内訳で比べることが結論です。

出典このセクションの出典:明治通り税理士法人|会社設立に税理士は必要?顧問料の相場(明治通り税理士法人/2026年9月16日 確認)

税理士費用についてよく聞かれること

税理士費用についてよく聞かれること
安い事務所を選んで問題ありませんか?
含まれる業務の範囲を確認してください。顧問料が安くても、年末調整や償却資産申告が別料金なら総額は変わらないことがあります。訪問なしでオンライン対応のみという形なら、安いのは合理的な理由があります。
途中で契約内容を変えられますか?
多くの事務所が対応します。取引が増えて記帳が負担になれば代行を追加する、逆に自分でできるようになれば外すといった調整です。株式会社の会社設立から数年で、状況は変わります。
設立費用に税理士費用は含まれますか?
含まれません。株式会社の会社設立にかかる登録免許税や定款認証手数料は登記に関する費用で、税理士費用は設立後の税務に対する費用です。会社設立の予算を組むときは、別枠で見ておいてください。
資本金が少ないと顧問料も安くなりますか?
資本金を料金表の基準にしている事務所では、影響することがあります。ただし多くは年商を基準にしています。資本金の額だけで大きく変わるとは考えないほうが実態に近いでしょう。

質問に共通しているのは、何が適正かという関心です。相場はありますが、含まれる業務によって変わります。内訳で比べてください。

出典このセクションの出典:小谷野税理士法人|会社設立の税理士費用はいくら?(小谷野税理士法人/2026年9月16日 確認)

まとめ|四つの区分に分けて並べる

まとめ|四つの区分に分けて並べる

税理士に支払う費用は四つの区分に分かれます。株式会社の会社設立の後にかかる固定費として、内訳で把握してください。

  • 月額顧問料日常の相談と試算表の作成。設立直後で月1万円台から3万円程度が目安。
  • 決算報酬決算書の作成と申告。顧問料の4〜6か月分が目安。年に一度かかる。
  • 記帳代行仕訳の件数で決まる。自分で記帳すればかからない。
  • その他年末調整、償却資産申告、税務調査の立会いなど。別料金になりやすい。

事務所によって、どこまでを顧問料に含めるかが違います。総額だけを見ると比較を誤ります。

見積もりは複数の事務所から、同じ条件を伝えて取ってください。業種、年商の見込み、資本金の額、取引の件数などです。

自分でやれば年間30万円前後が浮きますが、決算と申告に数十時間かかることがあります。時間の使い方との比較になります。

なお、税理士費用は株式会社の会社設立にかかる登録免許税や定款認証手数料とは別枠です。設立の予算とは分けて見ておいてください。

なお、この記事の内容は2026年9月16日時点の各機関の公表情報にもとづきます。費用の目安は事務所により幅があるため、実際の依頼前に複数の見積もりをお取りください。税務上の判断は、税理士など、その業務を扱える専門家にご相談ください。

出典このセクションの出典:小谷野税理士法人|会社設立の税理士費用はいくら?(小谷野税理士法人/2026年9月16日 確認)

総額ではなく、区分ごとに並べて比べてください

見積書の総額だけを見ると、含まれている業務の範囲が違うまま比べることになります。

顧問料、決算報酬、記帳代行、それ以外。この四つに分けて並べれば、同じ土俵で比較できます。株式会社の会社設立で資本金や設立費用を積み上げたときと同じ考え方です。判断に迷う場合は、複数の事務所に同じ条件で見積もりを依頼してください。

この記事は、株式会社の会社設立を決めるうえで役に立ちましたか?

押しても個人が特定される情報は送信していません。判断に迷う論点があれば、法務局・公証役場や司法書士・税理士にもあわせてご確認ください。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

掲載順は優劣を示すものではありません。各サイトの運営者・掲載内容は当サイトとは無関係で、内容の正確性を保証するものでもありません。会社設立の手続や費用、株式会社の資本金の扱いは改定されることがあるため、実際に手を動かす前に法務局・公証役場・国税庁など所管の公式ページで最新の情報をご確認ください(当サイトのリンク確認日:2026年9月16日)。

あわせて読んでおきたい記事