登記事項証明書と会社の印鑑証明書|何に使い、何通取ればよいか
登記が終わると、証明書を取る日々が始まります。どの場面で何通必要なのか、先に把握しておけば窓口に通う回数が減ります。

この記事は、登記完了後に何を取ればよいか知りたい人のためのものです
株式会社の会社設立の登記が完了した。ここから証明書を取る日々が始まります。法人口座の開設、税務署への届出、年金事務所への届出。それぞれ証明書を求められます。
何通取ればよいのか、どこで取れるのか、期限はあるのか。先に把握しておけば、法務局に何度も通わずに済みます。この記事では、登記事項証明書と会社の印鑑証明書の使い方を整理します。内容は2026年9月16日時点の一次情報にもとづきます。
二種類の証明書と、その違い

株式会社の会社設立の後に使う証明書は、主に二種類です。登記事項証明書と、会社の印鑑証明書です。用途が違うため、混同しないでください。
登記事項証明書は、登記簿に記録された会社の情報を証明する書類です。商号、本店、設立年月日、目的、資本金の額、役員などが記載されます。
かつては登記簿謄本と呼ばれていたもので、今でもその呼び方が使われることがあります。内容は同じです。
会社の印鑑証明書は、法務局に届け出た会社実印の印影を証明する書類です。契約書に押した印鑑が、登録された印鑑と同じであることを示します。
登記事項証明書は誰でも取得できますが、会社の印鑑証明書は印鑑カードを持っている人しか取得できません。重要度が違うということです。
どちらも法務局で取得します。会社設立の登記が完了していれば、全国どこの法務局でも請求できます。管轄の法務局である必要はありません。
登記事項証明書には資本金の額も記載されます。株式会社の会社設立で決めた資本金が、そのまま社外から見える情報になるということです。取引先が与信の判断で確認するのも、この証明書です。
以下では、それぞれの使い方と必要な通数を整理します。株式会社の会社設立の直後に手続が集中するため、先に把握しておく価値があります。

出典このセクションの出典:法務局|商業・法人登記の手続案内(法務局/2026年9月16日 確認)
登記事項証明書を使う場面

登記事項証明書は、株式会社の会社設立の直後に最も多く使う書類です。会社が実在することを示す基本的な証明になります。
まず法人口座の開設です。金融機関に提出し、会社の実在と代表者を確認してもらいます。定款の写しや代表者の本人確認書類とあわせて求められます。
次に税務署への届出です。法人設立届出書には、かつては登記事項証明書の添付が求められていましたが、現在は定款の写しのみで足りることもあります。提出先に確認してください。
都道府県税事務所と市区町村への法人設立届出書では、登記事項証明書を求められることが多くあります。自治体によって扱いが異なります。
年金事務所への健康保険・厚生年金保険の新規適用届でも必要です。設立から5日以内という期限があるため、登記完了後すぐに取得することになります。
このほか、許認可の申請、取引先との契約、事務所の賃貸契約、リース契約などで求められることがあります。会社設立の後、しばらくは使う機会が続きます。
株式会社の会社設立の直後は、資本金を法人口座に移す作業もあります。口座の開設に登記事項証明書が必要なので、登記完了後に真っ先に取得することになります。この1通は必ず要ると考えてください。
必要な通数は、手続の数によります。株式会社の会社設立の直後は5通程度を目安に取得しておくと、窓口に行く回数が減ります。
出典このセクションの出典:国税庁|No.5100 新設法人の届出書類(国税庁/2026年9月16日 確認)
会社の印鑑証明書を使う場面

会社の印鑑証明書は、契約書などに押した会社実印が、法務局に登録された印鑑であることを証明します。株式会社の会社設立の後、重要な場面で求められます。
法人口座の開設で求められることがあります。金融機関によって扱いが異なるため、必要書類を事前に確認してください。
不動産の賃貸借契約、リース契約、金融機関からの借入れといった重要な契約でも求められます。契約の相手方が、会社の意思による契約であることを確認するためです。
許認可の申請で求められることもあります。業種によって異なるため、所管官庁の案内を確認してください。
取得するには印鑑カードが必要です。登記完了後に交付申請をして受け取ってください。カードがないと取得できません。
必要な通数は、手続の数によります。会社設立の直後は2通程度あれば足りることが多く、必要になったときに追加で取得する形で構いません。
株式会社の印鑑証明書は、代表取締役が交代しても、会社の印鑑が同じであれば引き続き有効です。ただし改印した場合は登録し直しになります。会社設立の後、印鑑を変える予定があるなら、取得のタイミングに注意してください。
なお、資本金の額や会社の規模によって取得の条件が変わることはありません。どんな株式会社でも同じ手続です。
出典このセクションの出典:freee|会社設立に必要な印鑑届出書とはどういうもの?(freee株式会社/2026年9月16日 確認)
取得の方法|窓口・郵送・オンライン

証明書の取得方法は三つあります。株式会社の会社設立の後、状況に応じて使い分けてください。
ひとつめは窓口です。法務局に行き、請求書に必要事項を書いて提出します。全国どこの法務局でも請求できるため、管轄にこだわる必要はありません。
ふたつめは郵送です。請求書と手数料分の収入印紙、返信用封筒を送ります。窓口に行けない場合に使えますが、日数がかかります。
みっつめはオンラインです。登記・供託オンライン申請システムを使って請求し、郵送または窓口で受け取ります。手数料が窓口より安くなることがあります。
会社の印鑑証明書をオンラインで請求する場合、印鑑カードの番号が必要です。カードそのものを提示する必要はありません。
郵送で請求する場合、返信用封筒には切手を貼っておきます。通数が多いと重量が増えるため、料金不足にならないよう注意してください。株式会社の会社設立で複数通をまとめて請求するときに起きやすい失敗です。
手数料は請求方法によって異なります。オンラインで請求して郵送で受け取る方法が、最も安くなることが多くあります。
株式会社の会社設立の直後は、法務局に行く用事が重なります。印鑑カードの交付申請、登記事項証明書の取得、会社の印鑑証明書の取得。一度の訪問でまとめて済ませると効率的です。
なお、登記事項証明書は登記情報提供サービスでも内容を確認できます。ただしこれは閲覧用で、証明書としては使えません。会社設立の手続では証明書が必要です。
出典このセクションの出典:法務局|オンライン申請のご案内(法務局/2026年9月16日 確認)
証明書の種類|全部事項・現在事項・履歴事項

登記事項証明書には種類があります。株式会社の会社設立の後、どれを取ればよいか迷うことがあります。
履歴事項全部証明書は、現在の登記事項に加えて、過去の変更履歴も記載されるものです。最もよく使われる種類で、迷ったらこれを選べば足ります。
現在事項全部証明書は、現在効力のある登記事項だけが記載されるものです。過去の履歴は載りません。
代表者事項証明書というものもあります。代表取締役の資格を証明するもので、会社の全情報ではなく代表者の情報に絞られています。用途が限られるため、株式会社の会社設立の直後に使う機会は多くありません。
閉鎖事項証明書は、閉鎖された登記記録を証明するものです。会社が解散した場合などに使います。
一部事項証明書は、特定の事項だけを証明するものです。役員の情報だけ、といった形で請求できます。
会社設立の直後であれば、履歴も現在も内容はほとんど変わりません。ただし提出先が種類を指定していることがあるため、確認してから請求してください。
株式会社の登記事項証明書には、会社成立の年月日も記載されます。設立登記を申請した日です。会社設立の記念日として使われることもありますし、取引先が設立からの年数を確認する材料にもなります。
資本金の額や役員の情報は、どの種類にも記載されます。株式会社の会社設立の後、取引先が確認するのもこれらの情報です。
出典このセクションの出典:法務局|商業・法人登記の手続案内(法務局/2026年9月16日 確認)
有効期限の考え方

証明書そのものに有効期限の定めはありません。ただし、提出先が条件を設けていることが多くあります。
よくあるのが「発行から3か月以内」という条件です。法人口座の開設、許認可の申請、契約の場面で求められます。
つまり、まとめて取得しても、使う時期が離れると取り直しになることがあります。株式会社の会社設立の直後に集中する手続に使う分だけを取るのが効率的です。
逆に、数か月後に使う予定の分まで先に取ってしまうと、無駄になる可能性があります。必要になったときに追加で取得する形で構いません。
会社の印鑑証明書も同様です。提出先が期限を設けていることが多いため、使う時期に合わせて取得してください。
なお、登記内容が変わると、それ以前に取得した証明書は現在の状態を示さなくなります。役員の変更や本店の移転があった場合は、取り直しになります。
株式会社では、役員の任期満了による重任登記も登記内容の変更にあたります。任期を2年にしていると2年ごとに登記が入るため、それ以前の証明書は使えなくなります。会社設立の時点で任期を決めるとき、この点も頭に入れておいてください。
会社設立の直後は登記内容が変わることが少ないため、この点は問題になりにくいでしょう。ただし資本金を増やすなど登記事項を変えた場合は注意してください。
出典このセクションの出典:日本年金機構|事業所を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき(日本年金機構/2026年9月16日 確認)
何通取ればよいかを数える

必要な通数を先に数えておけば、法務局に何度も通わずに済みます。株式会社の会社設立の直後に必要になる手続を挙げます。
- 法人口座の開設(登記事項証明書・印鑑証明書)
- 税務署への法人設立届出書(定款の写し。証明書が必要な場合も)
- 都道府県税事務所への法人設立届出書(登記事項証明書)
- 市区町村への法人設立届出書(登記事項証明書)
- 年金事務所への新規適用届(登記事項証明書)
- 労働基準監督署への保険関係成立届(従業員を雇う場合)
- 許認可の申請(業種による)
これらを合計すると、登記事項証明書は5通程度、会社の印鑑証明書は2通程度が目安になります。
提出先によっては、コピーで足りることもあります。事前に確認すれば、取得する通数を減らせます。
手数料は1通数百円なので、合計しても数千円です。窓口に何度も通う手間と比べれば、多めに取っておく価値はあります。
許認可が必要な事業では、申請の時期に合わせて追加で取得することになります。会社設立から許認可の申請まで数週間空くこともあるため、そのときに改めて取るほうが確実です。まとめ取りは、直後の手続に使う分にとどめてください。
ただし、有効期限の条件があるため、使う時期が離れる分まで先に取る必要はありません。会社設立の直後の手続に使う分だけを数えてください。
出典このセクションの出典:ベンチャーサポート|会社設立後のやることリスト(ベンチャーサポート/2026年9月16日 確認)
証明書についてよく聞かれること

- 登記簿謄本と登記事項証明書は違いますか?
- 同じものです。登記が電子化される前は登記簿謄本と呼ばれていましたが、現在は登記事項証明書が正式な名称です。取引先から登記簿謄本を求められたら、登記事項証明書を提出すれば足ります。
- 会社の印鑑証明書は代表者以外でも取れますか?
- 印鑑カードを持っていれば取得できます。代表者本人である必要はありません。株式会社の会社設立の後、社員や代理人が取りに行くこともできます。
- 証明書に資本金の額は載りますか?
- 登記事項証明書には載ります。商号、本店、設立年月日、目的、資本金の額、役員などが記載されます。会社の印鑑証明書には印影と代表者の情報が載り、資本金の額は記載されません。
- コピーでも提出できますか?
- 提出先によります。原本を求められることが多いのですが、コピーで足りる場合もあります。株式会社の会社設立の手続では、事前に確認すれば取得する通数を減らせます。
質問に共通しているのは、何がどこまで証明されるかという点です。登記事項証明書は会社の情報、印鑑証明書は印影。株式会社の会社設立の後、求められたときにどちらを出すのかを判断できるようにしておいてください。
出典このセクションの出典:法務局|商業・法人登記の手続案内(法務局/2026年9月16日 確認)
まとめ|登記事項証明書5通、印鑑証明書2通が目安

株式会社の会社設立の後に使う証明書は、登記事項証明書と会社の印鑑証明書の二種類です。用途が違うため、使い分けが必要です。
- 登記事項証明書会社の登記情報を証明。誰でも取得できる。口座開設や各種届出で使う。
- 会社の印鑑証明書会社実印の印影を証明。印鑑カードが必要。契約や重要な手続で使う。
- 取得方法窓口・郵送・オンライン。全国どこの法務局でも請求できる。
- 目安の通数登記事項証明書5通、印鑑証明書2通程度。
証明書自体に有効期限はありませんが、提出先が「発行から3か月以内」といった条件を設けていることが多くあります。使う時期に合わせて取得してください。
登記事項証明書は、履歴事項全部証明書を選べば足りることがほとんどです。提出先が種類を指定している場合は、それに従ってください。
会社の印鑑証明書を取るには印鑑カードが必要です。会社設立の登記が完了したら、早めに交付申請をしてください。
なお、この記事の手数料と取扱いは2026年9月16日時点の公開情報にもとづきます。請求方法や手数料は改定されることがあるため、実際の手続の前に法務局の公式ページでご確認ください。
出典このセクションの出典:ベンチャーサポート|会社設立後のやることリスト(ベンチャーサポート/2026年9月16日 確認)
まとめて取れば、窓口に通う回数が減ります
証明書は1通数百円です。必要な通数を先に数えてまとめて取得すれば、法務局に何度も通わずに済みます。会社設立の直後は手続が集中するため、この段取りが効いてきます。
オンラインでの請求もできます。登記・供託オンライン申請システムを使えば、窓口に行かずに郵送で受け取れます。手数料も窓口より安くなることがあります。手数料や請求方法は改定されることがあるため、実際の手続の前に法務局の公式ページでご確認ください。
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